よく言われることです 羽毛の品質を比べるときには フィリングパワーと言って羽毛の嵩高を計る基準があります。簡単にいうと重しを載せて取り除いたときに復元する高さを測るのです。もちろんふとんになってから計るのではなく原毛の状態で計るのですが どういう条件下で計ったのかが明記されていないので必ずしも比較の基準になるとは限りません というのは羽毛は水分を吸収する力があります 強い乾燥をかけたとき水分率が8%ぐらいにまでカラカラになっていますそこから冷却していちばん良い状態が13%ぐらいのときです
しかしこの水分率によって嵩高も変わってきます パワーを大きくするため計測時の湿度を下げて 水分率を下げると当然かさ高がよくなります だから本当は羽毛の水分率、計る場所の湿度も条件の中に含める必要があるのにそこまで明記していないのが ふとん業界のええ加減さを露呈していますね
また羽毛を製造する工場の湿度状態によって羽毛の重さが変わることになるので 湿度の高い時期や場所によって量が変わることもあるでしょう
先日 羽毛工場へ行って 羽毛の品質検査や 洗浄工程 などをチェックしに行ったときですが 羽毛ふとんの仕立て替えをする行程を見てきました
ある大手メーカーの羽毛ふとん 表示に羽毛1.4㎏入りとなっていました
通常品質の良い羽毛だと0.8㎏から1㎏でシングルのふとんになるものが1.4㎏も入っているのです これは明らかに少ないと嵩がでないからたくさん詰めてあるわけですが 驚いたことに もっと詰めてあったのです およそ1.7㎏ほどが詰まっていました たくさん使えばいいもではありませんよ こいうことがあるから正直にまじめに寝具に取り組んでいる人たちが迷惑するんですね
作る側にも問題はありますが これを発注した店がいちばん悪質であります
おっちゃんの店にもいろんな羽毛ふとんがありますが できるだけ製造工程の見えるふとんに替えていっています。そうすると工程の見えない有名問屋のふとんが売れなくてずっと在庫として残ってしまっています まじめに半額処分しても売れまへん どないしょ!
どうもごぶさたです。
羽毛に「乾燥」を強くかければかけるほどカサは出ますが、
「乾燥」の強さに比例して、羽毛がパサパサになりしなやかさが失われて
毛足がポキッと折れやすくなります。
安物の羽毛ふとんが2年目や3年目で嵩がガクッと落ちてヘタって
しまうのはこれが大きな要因ではないかと思われます。
驚くことにこういう話ってほとんどのふとん屋さんが知りません。
「ダウン率」「産地」「かさ高」この3点ばかり強調して説明する
お店からは羽毛ふとんを購入しない方がいいと思います。
メーカーや問屋の説明を言いなりになって、ちゃんとした知識もなく
羽毛ふとんを売っているお店があまりに多すぎます・・・。
ふとん屋のおっちゃんさんの爪の垢でも煎じて、より良い商品を
お客さんに提供するために日々「勉強」して欲しいものです。
JTさん
ありがとうございます
ふとん屋のおっちゃんこそが日々勉強であります