殆どの子供が合成繊維の寝具の上に寝ていることは間違いありません。
説明書きに「オーガニックコットン使用」と書いてあっても、表面の生地や付属のカバーだけが綿100%で、中身はポリエステルやウレタンという製品ばかりです。
沢山の汗をかく子供にとって、汗を吸わない合成繊維の寝具はとても不快な睡眠環境です。
子供が布団から飛び出して畳の上に寝ていたり、布団を蹴ったりすることはありませんか。
寝相の悪さは、合成繊維の蒸れから逃れようとしているのかもしれません。
吸湿・保温できない寝具による睡眠時の冷えは、おねしょをしてしまう要因にもなります。
不快さから睡眠の質が悪くなり、排尿せずに眠るための抗利尿ホルモンの分泌に影響を及ぼしている可能性も考えられます。
市販のベビー布団セット等に必ず付いているおねしょシーツは、布団を汚さないためのものですが、これも蒸れる原因の一つです。
子供関連の便利グッズの多くは、子供にとっての快適さや本来求められる機能を無視し、親が楽をすることや管理のしやすさばかり意識して作られているのです。
また赤ちゃんに関しては、寝姿勢も睡眠に大きく関わっています。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で丸い姿勢をとっており、背骨は大人と違ってC字カーブを描いています。
このCカーブは生まれてからも同じで、Cカーブを保ち丸く包むように寝かせてあげると赤ちゃんの身体に負担がなく、リラックスしてグッスリ眠ることができるのです。
これは寝るときだけではなく、抱くときも同じですが、街では縦抱きの抱っこ紐を使っている人しか見かけません。
苦しい姿勢な上に、布団の素材が不快な合成繊維であれば、布団に降ろされた瞬間に赤ちゃんが泣いてしまっても当然といえます。
何でも「背中スイッチ」と諦める前に、できることがあるのではないでしょうか。
松井重樹